クリニックのペットバードたち

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抗酸菌5.

工藤です!
しばらく続いておりました、鳥の抗酸菌症に関するお話は、本日で最終回となります♪

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抗酸菌症の治療

鳥において、これまで一般的な抗酸菌と考えられていた、Mycobacterium avium-intracellulare complex (MAC)。実際は抗酸菌症の原因No.1ではありませんでした。でもこの菌に対する治療法は、ヒトの医学でいろいろと検討されていますので、ご紹介したいと思います。


人間の医学書によれば(人医療は獣医療に比べ進歩している分野が多く、獣医師は人医学をよく参考にします^^)、MACは土壌や温水などの環境中いたるところに存在し、日本におけるヒトの発病率は、人口10万人あたり5人ほどで、国際的に高い水準となっているそうです(このあたりはなぜか?鳥とは逆ですね)。

ヒトの非結核性抗酸菌症のなかでも、MACは非常に治りにくく、現行のいかなる薬剤の組み合わせによる化学療法(薬による治療)でも、根治的な効果は期待できないそうです。
それでも、これまでの治療データの蓄積から(薬剤感受性試験の結果は臨床効果と一致しない)、最も効果のある処方が導き出されています。

その処方は、クラリスロマイシン、エタンブトール、リファンピシンという3種類の抗菌剤の併用内服です。これらを長期服用し、さらに菌が陰性化した後も1年以上の投薬を行い治療していくというものです。また内服薬にくわえ、重症の場合には、カナマイシン(抗菌剤)の注射が週2-3回、4-6ヶ月間追加されます。

現在、鳥の抗酸菌症でも、これらを参考にした治療が行われています。
ただ、鳥ではMACよりM. genavenseが原因となることが多く、この菌に関してはヒトでもほとんど情報がないため、治療の有効性は定かではありません。


そんな中、昨年の鳥類臨床研究会で小嶋篤史先生が、セキセイインコのM. genavenseに対する3抗菌剤投与治療について報告されていました。さらに検査方法によっても、結果が異なる点も指摘されており、大変興味深かったです。頻回の適切な検査を行い、治療に対する反応を長期にわたり追っている、とても貴重なデータでした☆
この報告の最後は、「帰ってきた抗酸菌」と、実にセンセーショナルな締めくくりで、まだまだ抗酸菌と獣医療との戦いは続くと予想されました。



**抗酸菌に関するお話は、これでひとまず終了です^^
  長々とお付き合いいただきまして、どうもありがとうございました!**

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